撮影の為にスマホを近づけると働き蜂達が一斉にこちらを向きます。皆元気そうです……でも、数が少ない。
実は、一目見て巣の違和感に気づいてしまいました。
わかりますか?
逆側から撮影します。
巣が明らかに汚いでしょう?
以前の巣と比べてみましょう。
移植前。
日曜日。
移植前の巣はまだ小さいですが、蛹の状態の部屋(白い蓋が付いている部屋)があるので比較し易いかと思い選びました。
おわかりのように、日曜日に撮影した巣の蓋は、気持ち悪いですよね(T ^ T)。皺々で、宇宙人👽の顔にも見えてきます。
これは何かが起こっているに違いないと思い、クレオパトラ(女王蜂)を探します。
いません。
角度を変えて探しても見あたりません。
蜂なんて皆同じ姿形と思われる方もいらっしゃるかしれませんが、クレオパトラは見分けられるのです。
なんとなく、色や雰囲気ですが、しばらくの間餌を与え毎日観察してましたから、たぶんわかるのです。
それがいないのです。
女王が巣を離れるわけがありません。雨も降ってましたから。
ふと足元を見ると…。
クレオパトラ…なんで…。
巣の状態から考えて、何者かに巣を乗っ取られたとしか思えません。その敵との戦いに敗れたのか、卵を産み疲れたのか…。
帰ってから調べてみると、やはり寄生蛾にやられたようです。
ウスムラサキシマメイガ。
この蛾が有力かと思っています。
(詳しくわかる方、寄生虫の種類や対処法を教えてください。)
アシナガバチの巣に寄生して、アシナガバチの幼虫を餌に育つようです。
この写真を見てください。
たぶん、写真の赤丸の中に見える、小豆色の点がウスムラサキシマメイガの幼虫の頭だと思われます。
青丸の中はアシナガバチの幼虫です。
巣の状態を見る限り、ほぼ全ての部屋が乗っ取られています。
女王はもういません。
雄蜂もまだ生まれていないようです。
たぶんもうこの巣はダメでしょう。
クレオパトラ、あのまま大阪においておけば違った結果になっていたでしょう。
残念でなりません。
近年、危険だからと蜂の巣の駆除が積極的に行われるようになりました。
それと同時に、蜂の巣に寄生することで子孫を残してきた虫達の生活も脅かされてきています。
何か一つの生き物に肩入れして考えるということは、種の多様性を損なうことに繋がりかねません。
それは人間も含めてです。
自分達以外の生き物に対する知識を深めて、共存していける方法を見つけるべきでしょう。
寄生蛾も、寄生するのは命がけです。生きて子孫を残すためです。弱肉強食の世界です。
わかっています。
でも、やっぱりなんか悲しいなぁ。
「女王様を手なづける試み」
成功か失敗かはわかりませんが、アシナガバチと人間との距離は、しっかりと知識を身につければかなり近付けるとわかりました。
そして今回アシナガバチについて知識を深めたことは、アシナガバチのことだけでなく生きることや、自然との関わり方について色々と考えさせられる結果となりました。
ありがとうクレオパトラ。
…あぁ、埋葬してあげれば良かったなぁ…。
後悔。